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(2) 多子家庭への援助

 

主婦が働いている割合は、3人以上の子どもを扶養する家庭では低い。1人目の子どもの誕生では家計はそれほど負担が大きくはならないが、3人目の子どもを持つことは大きく家計に響いてくる。多子家庭は減少したが、現在でも3子以上世帯の数は子どもを扶養する世帯の20.5%を占めている(多子家庭の子どもは子ども総数の43%)。

家族給付制度に占める多子家庭への援助は、大戦直後と比較するとかなり小さくなっている。現在では3人以上の子どもを扶養する世帯のみを対象としている手当は、家族補足手当、引越助成金のみである。家族補足手当には所得上限制限がついているが、92万世帯が受給している。さらに子どもが1人しかいない家庭は受給できない手当としては、家族手当、養育親手当のみである。しかし受給のために所得上限制限が付いている手当では子どもの数が多いほど制限が緩くなっており、子どもの数だけ重複して受けることができる給付が大半であるため、現在でも多子家庭が優遇されていることは明白である。

【図表5-7】は、扶養する子どもの数によって支給される家族給付による所得が、給与などの当初所得に占める割合を示したものである。2人の子どもがいる世帯が受ける家族給付額は世帯の当初所得の11%であるが、6人以上の子どもがいる世帯では139%にもなっている(平均は21%)。家族給付としては家族手当しか受給していない世帯の割合も、3人以上の子どもを扶養する世帯では10%、4人以上の子どもを扶養する世帯では6%に過ぎない。実際、家族給付支給総額の52%が、3人以上の子どもを扶養する多子家庭に対して支給されているのである。

 

 

 

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