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序 文

 

既にわが国では、総人口に占める高齢人口の割合が年少人口の割合を上回る状況にありますが、今や高齢化先進各国でも、高齢化の要因が少子化の進展にあることが共通の認識になっております。

当エイジング総合研究センターは、このような現状に鑑み、昨年から新たな国際研究として北欧・ヨーロッパの高齢化先進国における少子高齢化研究をスタートさせ、昨年度はスウェーデンの調査研究を実施いたしましたが、今年度は、ヨーロッパ各国に先駆けて高齢化を経験し、早くから出生に関する社会政策を推進しているフランスを研究対象国に調査研究をいたしました。

フランスは、その歴史的過程において出生動向に関連する社会政策を長い間にわたり推進しておりますが、現在ではその多様性においても顕著であり、20余種類もの家族手当給付が社会保障制度の大きな柱として存在しております。本調査研究では、フランスにおける人口と出生率変化、家族の在り方の変貌、家族政策の変遷等について、出生動向変化と政策内容を縦横の軸にすることで包括的な調査研究を心掛けました。

調査研究の実施と報告書の纏めにつきましては、その労を多とされたフランス在住の大島順子氏(フランス高齢者問題委員会特別研究員)と研究推進について有意義なアドバイスを戴いた岡崎陽一・当研究センター理事等関係各位に対し心から感謝申し上げる次第です。

最後になりましたが、昨年度に引き続きこの国際研究プロジェクトをご理解戴き、研究助成下さった日本財団に対して深甚より感謝申し上げます。

本編が皆様の活動の一助になれば幸いです。

 

1998年2月

 

社団法人 エイジング総合研究センター

 

理事長 高 木 文 雄

 

 

 

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