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転出者の男の場合は、前期高齢者に比べて、後期高齢者に転入して「よかった」とする者が多い(前期:54.3%、後期:66.0%)。逆に転入しても「変わらない」とする者は前期高齢者が31.6%であるのに対し、後期高齢者は21.1%と少なく、転入したが「よくなかった」とする者は、前期高齢者が9.0%、後期高齢者8.8%とほぼ同率であった。

つまり、男の転出者の場合は、前期高齢者に比べ、後期高齢者になると、「変わらない」から「よかった」という評価へ動き、「よくなかった」とする者の割合は変わらない傾向にあることが分かる。

女の転出者の場合は、男と同様に前期高齢者に比べて、後期高齢者に転入して「よかった」とする者が多い(前期:55,9%、後期:62.4%)。転出しても「変わらない」とする者は、前期高齢者の方が後期高齢者よりも多い(前期:31.8%、後期:27.4%)。転出したが「よくなかった」とする者は、前期高齢者と後期高齢者でさほど差はみられなかった(前期:7.0%、後期:5.9%)。

つまり、女の転出者の場合は、男の転出者と同様、前期高齢者に比べ後期高齢者になると、転出しても「変わらない」から「よかった」という評価へ動き、「よくなかった」とする者の割合は変わらない傾向にあることが分かる。

● 転居理由別(表7-1-2、7-1-3、7-1-4)

転居の理由別に、転入、転出に対する本人の評価をみる。

転居の理由の中で、転入して「良かった」という評価の最も多いのは、該当者数が3人で100.0%であった「在宅福祉サービスを利用するため」を別にすれば、「家族の介護を必要とするため」で、76.9%の者が転入して「よかった」と評価している。以下第5位までを挙げると「家族と別居するため」(76.5%)、「家族の世話をするため」(76.4%)、「家族と近居するため」(75,6%)、「配偶者と死・離別したため」(72.3%)となる。転入の場合、「よかった」という評価が多いのは、本人や家族の事情の場合であり、本人が病院や老人ホーム等に入院、入所する場合ではない。

転出の場合は、「良かった」という評価の最も多いのは、該当者数が3人で100.0%であった「在宅福祉サービスを利用するため」を別にすれば、「老人ホーム等に入るため」で、76.7%の者が転出して「よかった」と評価している。

以下第5位までを挙げると「家族と別居するため」(76.6%)、「家族の介護を必要とするため」(69.7%)、「病院に入院するため」(69.6%)、「住宅事情のため」(65.3%)となる。転出の場合、「よかった」という評価が多いのは、本人が老人

 

 

 

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