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第1章 調査の目的とその概要

 

1. 調査の目的

 

大都市への人口流入の滅退化が進み、多くの政令指定都市が転出超過に変わっている中で、札幌市は最新の1996年においても11,162人もの転入超過をみ、転入超過率0.63%は政令指定都市で最も高い状況である。

また、札幌市の65歳以上高齢人口の全市人口に占める割合(高齢化率)は、平成7(1995)年国勢調査結果によれば11.5%で、全国平均の14.5%より3ポイント、政令指定都市平均の12.7%よりも1.2ポイント低い状況である。

こうした札幌市の人口事情は、人口の流出入(移動)の大きさからも社会の若さと活力が伺えるところであるが、平成2年以降の国勢調査や住民基本台帳をみると、高齢人口の居住移動が大きく増加していることも明らかである。既に、市当局においても高齢者福祉・医療サービスの供給量から高齢者の転入増は推定しており、高齢市民の転入、転出等居住移動の動向把握は重要な課題と認識している。

当「札幌市高齢者移動実態調査」は、当市の顕在化する高齢移動者の移動形態、移動者の健康・家族状況、移動理由等について調査し、高齢者移動の実態を把握し、とともに今後の高齢者対策の基礎資料とするものである。

 

2. 本調査の概要

 

ア. 調査対象者

転入者、転出者:1997年1月1日〜5月31日に札幌市に転入、または札幌市から転出した65歳以上の者全員。

 

 

 

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