岐阜県剣道道場連盟
名誉会長 浅川春男
群雄割拠の戦国の世に、織田信長の「天下布武」の大号令発しし、この美濃の地において、日本全国の精鋭が、高き理想のもとに、御参集頂くことに、感激の極みで、胸一杯でございます。
思い起こせば、道場連盟の産声上げし頃、今は亡き、佐賀の葉隠れ武士の如き、剣道範士十段大麻勇次先生を旗頭に、小野派一刀流宗家の高野弘正先生、枚方の古武士、吉田誠宏先生、水戸の「文武不岐」の精神を全国に広めし故小澤武先生方々の手銭手弁当にての来岐が偲ばれます。
さすれば今大会、否、剣道の隆盛、存続の礎は、僅かな援助も無く、時には奇人変人と誹謗されしも、只ひたすら道の為、こよなく剣道を尊きものとして熱愛し、一途に全身全霊をもって護り続けられた先人にあることを、そしてその恩恵を頂く我々は決して忘れることなく、深く心に刻んでいかなければなりません。
最後に御願い致したき事は、今日の日を同じ道を歩く同志として、更に「師弟同行」「具学具進」の気構えをもって、各道場が「破邪顕正」の剣をふるって、いかなるあまたの苦難、障害をものとせず、更なる発展を祈願し、これを似て私の心の叫び、土産として御持ち帰っていただければ幸いに存じます。
