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楼門

 

【種   別】建 造 物

【名   称】楼   門

【所 在 地】北方町北方1345番地 円鏡寺

【指定年月日】明治42年4月5日

 

池鏡山円鏡寺は弘法大師創建と伝えられ、多くの文化財を有する。真言宗格本山。

この楼門は上梁銘によると、永仁4年永尊が建立したもので三間一戸、入母屋造、桧皮葺、純和様の雄建な建築である。妻飾は豕叉首式破風には猪目懸魚を飾る。軒廻しは二軒繁捶で軒天井、支輪があり組物も和様三手先で深い軒の出を支えている。尾捶の鼻は垂直に切り、中備えに間斗束を入れ柱はすべて円柱とし礎石の上に立つ。上層にわ長押をつけ、勾欄を設けた切目縁をめぐらす。この縁板は約二センチメートルづつの間隔をとり、排水に備えてある。下層中央間は両開きの板扉、左右の脇の間にはやはり鎌倉期の力あふれる仁王像が安置してある。下層の組物は二手先で天井は組入天井、鯖尻が自然の曲線を描く虹梁。

この門の特徴は、勾配のゆるやかな屋根と腰の均衡が極めて優美に出来ていることで、明治神宮南門の建造に際し、そのモデルとなったほどで、美しさは格別である。

 

 

 

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