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ご挨拶

 

財団法人全日本剣道道場連盟会長

大会会長  松永光

 

本日、橋本総理大臣並びに小杉文部大臣のご臨席を得て第三十二回全日本少年剣道錬成大会並びに第二十二回全日本選抜少年剣道個人錬成大会が、五千人余の少年少女と多数の応援のご父兄を迎え、盛大裡に開催されますことは、まことに喜ばしい限りであります。

三十二回に及ぶ開催を思うとき、そこに歴史の重みを感じます。又、本大会を充実したものにする責任を痛感するものであります。本大会がこの様に永く続けてこられたのも偏に、文部省をはじめ関係各位のご支援の賜ものと心より感謝するものであります。

現在、我が国は世界の経済大国の一つと位置づけられる国になっております。それに伴い国際社会での役割も大きくなっており、日本に対する期待も深まっています。その期待に応えるのは、人材であり人物であります。その事を思うとき日本を担っていくべき青少年の脆弱性を強く感じます。世界における日本の責任を考えると、青少年の心身の鍛錬の必要性及び徳育面の教育の重要性、更には創造性の力をもつ人材育成の必要を強く感じるものであります。そのためには厳しい剣道によっての錬磨こそ最も適切であると考えます。寒風の中の寒稽古、真夏の暑中稽古そして、平素の稽古の厳しさが、人間形成に役立ち、人物を造るものと思います。今こそ、剣道の良さが強く認識されなければならない時期にきております。次代を担う人物の育成という大義のもと道場主各位の自覚とご尽力を願うものであります。

本日は、この一年間の修業で養った不動の心と素晴らしい技を相手にそして自己に示す日です。精一杯素晴らしい試合をして下さい。短い試合時間ですが、永い問かけて修得した心と技を凝集し、それらを開花させて下さい。物事に真剣に打ち込み努力する習性を得れば、皆様の今後の人生は必ず開ける事と思います。二十一世紀を担う少年少女の心身の向上と大きな夢を望みつつ今日の健闘を心より期待してやみません。

最後に、平日にもかかわらず審判の方をお取りくださる先生方並びに本大会の開催のため諸準備していただいた関係各位のご協力に対し心から厚くお礼申し上げ、私のご挨拶と致します。

 

 

 

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