祝辞
内閣総理大臣
大会最高顧問 橋本龍太郎
第三十二回全日本少年剣道錬成大会及び第二十二回全日本選抜少年剣道個人錬成大会が開催されるに当たり、一言お祝いの言葉を申し上げます。
二十一世紀を間近に迎えようとする今日、我が国は、世界の平和と繁栄に貢献するとともに、国民の皆さんが、夢や目標に向けて、創造性とチャレンジ精神を発揮しうるような社会にしていく必要があります。そのための基礎には、何よりも健全な精神とたくましい身体を培うことが大切であると思います。
剣道は、単に勝敗を争うだけでなく、人を生かし、自己を確立するという人間的完成を目指すものであります。私も教士五段に列し、時々道場に立ち、自分を磨くべく努めておりますが、前途有望な皆さんがこうした剣道の稽古に励まれることは、心・技・体を重んずる我が国の伝統を受け継ぎ、国際社会の平和と繁栄に貢献できる心豊かなたくましい社会人に成長される上でも、大変有意義であります。
全国各地から晴れの代表として参加された少年・少女剣士の皆さん、一戦一戦全力を尽くし、この大会名に「錬成」と掲げられているように、一回りも二回りも成長して地元に帰ってください。そして、これからも、自らの夢や目標をもって、いい稽古を続けてください。
終わりに、本大会の開催に力を尽くされた関係者の皆様方、そして少年・少女剣士を育ててくださる指導者の皆様方に心から敬意を表しますとともに、本大会の御成功を祈念して、お祝いの言葉といたします。