国際保健協力フィールドワークフェローシップに参加して
沢田 類(東北大学5年)
今回私が参加した動機は、将来自分も実際に国際医療に携わることができたらいいなぁという漢然とした気持ちからでした。高校で進路を決める時“人間の体は言葉や生活習慣が異なっていてもみんな同じなのだから、医学を身につければ世界のどこへでも行ける”と思って医学部を選んだのですが、そういうことを久しぶりに思い出しました。
日程は国内研修2日間、国外研修8日間の計10日間だったのですが、この10日間で私が得たものはとても大きかったと思います。国内研修初日、いろんな先生が国際協力とは何かについてお話してくれ、国際協力に必要なこととして、語学力と専門技術とチームの一員としてやって行けることの3つを挙げてくれました。また国際協力というのはただ単に病院を建てるとか、機材や薬を買って送るというのではなく、5〜6年その土地に暮らしてみて生活習慣や社会的背景を理解したうえで本当に必要なものを供給することであり、それが物にしても人にしてもその国がもう自分の国だけでやっていけるようになったら我々は引き上げることが大切であるとおっしゃっていました。2日目はハンセン病の歴史やハンセン病の病態、日本そして世界における現状について講義を受けた後、高松宮ハンセン資料館を見学しました。ここで私たちを案内してくれた平沢さんの“お医者さんは、ただ単に病気を治すだけではなく、その後その人が人間として幸せに生きていけるようにしてあげてほしい”という言葉が心に残りました。ハンセン病が昔から差別と偏見を受けてきたのは、私たちの病気に対する正しい認識が不足していたからで、何においても正しく理解することは大切であると実感しました。
フィリピンでの8日間の国外研修も楽しいものでした。私はあまり英語ができなかったのでちょこちょこと周りの人に内容を教えてもらいながらでしたが、WHOやJICA、またDOHをはじめとするフィリピンの保健行政機関を訪れ、お話を聞くことができとても良かったと思います。現在フィリピンがかかえている医療上の主な問題としてはTBやLeprosyがあり、これらは人口増加と悪い衛生状態がベースとなっていて、ここから改善していかなければいくら病気だけを治しても仕方がないことが分かりました。フィリピンでは今人口増加をおさえるためにfamily planningをBarangayのレベルで積極的に推し進めている最中だそうです。宗教や人々の考え方の違いなどもありなかなか浸透しなかったらしいけれど、最近はかなり浸透してきていて確実に効果をあらわしてきているそうです。子供は多ければ多いほどいいというのは社会的に安定した国での話であつて、子供が多いことが社会をおびやかす問題となっている国もたくさんあることを学びました。国の違いなどを考えると、先進国の医療をそのまま持ち込むことは良いことなのか悪いことなのかという疑問もたえず胸に残りました。また、WHOでは、現在何に取組んでいるのか、何を目標としているのかなどを直接教えて頂き、今まで遠い存在であったWHOが身近に感じられました。そして国を越えた世界レベルの話に感動したのを覚えています。
夜になると、みんなで部屋に集まりミーティングを行い、その日の内容のまとめや、次の日の予習などを行い、その後話りあったり歌を歌ったりして笑いあい、いろんな人のいろんな考え方を聞くことができました。私にとってはこのことがいちばん良かったことで、今ま