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村では40名全員が陰性であった。ウワンゴ地区の陽性者に対しては検診最終日にミンテゾールを投与した。

 

 d) 糞線虫症

 

厚層塗抹法によりウワンゴ地区で糞線虫幼虫の陽性者が2名(0.3%)検出されたが、バンザ村では全員が陰性であった。これまでにも何れの地区も感染者が存在することが知られている。陽性者に対してはミンテゾールを投与した。

 

 e) ラブジチス幼虫陽性者

 

今回の検査でラブジチス幼虫の陽性者がウワンゴ地区から2名(0.3%)検出された。何れも臨床的には下痢などの症状は認められていなかったが、ミンテゾールの投与を行った。

 

 f) マンソン住血吸虫症

 

ウワンゴ地区では789名中24名(3.0%)に、またバンザ村では40名中1名(2.5%)にマンソン住血吸虫卵の陽性者が認められた。一昨年度の成績はウワンゴでは249名中16名(6.4%)にマンソン住血吸虫卵が検出されており、バンザ村では81名全員が陰性であったが、経時的にみるとマンソン住血吸虫症の陽性者は年によって若干の増減が認められている。最近中央アフリカにおいても道路が整備されて他地区との交流が激しくなり、従ってその地区の住民を駆虫しても新患者が転入して虫卵を散布する機会が多くなっているので、患者の治療のみならず、中間宿主対策無くしては完全撲滅は困難であると思われる。本年度も現地で行った成績に基づいてマンソン住血吸虫卵陽性であった患者に対してはプラジカンテルを投与した。

 

 g) 吸虫症

 

今回の調査でも虫卵のみでは種類の判別が困難な吸虫卵陽性者がウワンゴ地区から2名(0.3%)見いだされた。これまでに検出された虫卵と同様な異形吸虫のム種と思われる虫卵である。本症例に対してもプラジカンテルの投与を行った。

 

 h) 縮小条虫症

 

縮小条虫症患者はウワンゴ地区から1名(0.1%)検出された。今回はテニア条虫卵陽性者は認められなかった。この虫卵が証明された患者にはプラジカンテルを投与した。

 

 B) 尿検査によるビルハルツ住血吸虫卵検査成績

 

これまでは首都バンギーより約480km離れたケラ・セルジャン村の検診を主体に行っており、このケラ・セルジャン村には初期の検査でビルハルツ住血吸虫が存在しないことが明らかとなっており、また他の地区では検査期間が短く実施することが困難であったので従来は尿検査を

 

 

 

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