門形(ポータル)フレームには、フロント及びリアポータルと連接部分に使用するアーティキュレーテッドポータルとがある。車体の荷重は、重心高さ附近で構体からつき出した腕により、油圧シリンダーを介して門形フレーム上端の釣合ばりの両端から懸垂するコイルばね(二次ばね)にぶら下がる形で支持される。この油圧シリンダーと二次ばねからなる懸架リンクは、釣合ばりの両端から約14°内傾して吊り下がるが、これは横揺れに対する復元を期待するスイングリンクの役割を持たせているようである。釣合ばり中央には中心ピンのついた心ザラがあり、ここで門形フレーム中央に荷重を伝える。
門形フレームの左右各2本の脚は、客室をまたいで左右の独立車輪支持枠に一次ばね(積層ゴムばね)を介して支持される。一方、独立車輪支持枠は、ハイポイドギヤ・ピニオンからなる直角駆動ユニットのケースとも一体をなしており、ピニオン軸は垂直方向で、その上に縦置きのモーターが緩衝ばね(積層ゴム)を介して乗せられている。モーターとピニオン軸は、おそらくスプライン軸継手で結ばれているものと考えられる。モーターの上面、即ち反ピニオン側端面は、アーマチュアシャフトに連絡してモーター、ディスクブレーキが一体に取付けられている。車輪支持枠の一端からは、レール吸着ブレーキが片持ちで取付けられている。
門形フレーム上の釣合ばりの下面から出した腕と、車体から出した腕の間には左右各1本の左右動ダンパーがあり、車体の左右動とローリングの抑制を図っている。また、門形フレームが前後に倒れないように、車体端面上部からリンク式のアンカーで支持している。
通常の車体床面高さはレール面上180mmと、現在の処、世界中で最も低く、さらに車椅子など乗降の場合は、油圧シリンダーによって80mm迄下げることが可能で、逆に積雪時には260mmに全車両の床面を高くして、走行が出来るようになっている。門形フレームの脚が、独立車輪支持枠にばね支持される部分は、貫通路の巾形状に添う形で内側に狭められ、支持ばね中心が車輪とレールの支持中心に来るようにして、転倒モーメントの減少を図っている。