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出先機関が存在する。

既に述べたように、地方自治法施行の当初は、ハンガリーの地方制度は、原則として、共和国管区-県-市町村の三層構造であったが、1995年1月からは二層構造となった。二層構造における各層において、どのような中央出先機関が機能しているかに関する詳細は分からない。管区が廃止され、それに伴い、それまで管区に関連していた各事項も全て県に降ろされたことから(内務省におけるヒアリング調査による)、三層構造の管区レヴェルにおける中央出先機関も、現在では県レヴェルにおいて機能しているように思われる。しかしながら、ここでは念のために、かつての三層構造における中央出先機関を列挙しておくことにしたい(Balazs,p.82)。

管区レヴェルにおいて機能する中央出先機関:

郵便・電話監視所、水利監督所、治水中央組織の地方機関、環境監視所、自然保護監督所、国立公園監督所、森林監視所、農業省監督下にある森林管理業務の地方機関、地方農業格付けセンター、地方地質局、鉱業技術地区監視所、移民事務所の受け入れ所、訓練事務所

県レヴェルにおいて機能する中央出先機関:

交通監視所、公道監視所、農業事務所、土地事務所、動物保健・食料監督所、植物衛生・土壌保護所、税金監督所、国民保険・医療局の県機関、スポーツ監督所、労働センター、労働安全監視所、消費者保護監視所、統計監督所、地方国家予算・行政公報局の県事務所、請求・補償調停事務所、財産譲渡委員会、警察本部、県消防署、関税・歳入保護所

市町村レヴェルにおいて機能する中央出先機関:

地域土地事務所、国民保険・医療局の市町村機関、労働センター支所、市町村警察本部

 

5 ブダペシュトにおける現行の地方制度

 

これまでハンガリーにおける地方制度を概括的に述べてきた。次に、プダペシュトにおける地方自治を概観することにしたい。

さて、ハンガリーの地方制度において、首都としての特殊な位置づけを考慮して、ブダペシュトには格別の扱いがされている。地方自治法施行当初は、地方自治法の首都に関する章では原則が列挙され、首都地方自治法が詳細を定めていた。しかしながら、その後の改正によって、現在では、首都地方自治法が地方自治法の首都に

 

 

 

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