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中央政府は、1970年に既に、地方自治体の個々の活動に対する過剰な介入を止め、地方自治体の活動における基本をゲーム・ルールとし、1980年代後半には、本来、地方自治体に対する中央集権化の中核的存在である筈の評議会が、それぞれの利益擁護へと公然と行動し始めた。そして、県評議会の権限が削減され、基礎自治体レヴェルの評議会の権限が増大することとなった。当時の地方自治体の歳入構造は、おおまかにいって、自己収入(公共施設の使用料や企業に対する土地賃貸料)が15〜20%、企業からの基礎自治体評議会への定率的寄付が15〜20%、国家からの補助が60〜70%に分類されたが、その他に起債による収入もあり、また、県評議会が、企業からの基礎自治評議会への寄付を吸い上げ、改めて再配分する場合もあった(Lengyel,p.229)。

1990年以前に既に、地方財政における一般的傾向は分権化であったが、図表2にあるように、地方自治制度における中核である評議会制度自身は本来中央集権的であった。しかし、1990年の地方自治法施行に伴って評議会の権限が大幅に削減され、地方自治体における自律と自立が基本とされるようになったのである。

図表6にみられるように、現行の地方自治体における歳入内訳は、自己収入、譲渡税、国家からの補助金、貯蓄・資本収入などに分けることができる(地方自治法第81条〜第87条)。この他に国家からの業務の委任に伴う資金の移転があり、その殆どは、社会保障費として移転されている。また、起債による収入もあるが、特定の地方自治体に限られ、一般的ではない。

 

ア 自己収入

 

自己収入は、さらに自己の事業による収入、手数料、地方税、利子収入などに分けられる(地方自治法第82条(1))。地方税法によれば、財産税、共同体税、観光税および企業税に関する課税権が与えられ、このうち、1990年の地方税法によって新設された税は、企業税だけであるが、その他の税についても1990年以前に比較して遥かに高額となっている。また、1990年に定められた税額・税率も、現在はかなり引き上げられている(参考のために、各現行税額・税率の後のカッコ内に、分かる限りで1990年当時の税額・税率をあげておく)。

財産税は、建物税と建造物が存在しない場合の土地税に分けられる。財産税は、課税年の1月1日現在における所有者に対して課税される。課税方法は二種類であり、どちらの税にも、所有する財産の広さに応ずる課税方法とその財産の市場価値に一定の調整を行った価値に対する課税方法とがあり、課税方法は地方自治体によって選択される。建物税については、1平米当たり年額最高900(200)フォリント(4)という定額的基準または価値に対する最高3(同)%とい

 

 

 

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