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? 広告法(1995.7.18)3条の合憲性審査事件判決(1997.3.4)

? 年のインフラ整備に関するモスクワ州予算支出の補填のための課税についてのモスクワ州法(1996.7.5)2条および4条の合憲性審査事件判決(1997.7.2)

? 1995年度のサンクト・ペテルブルグにおける上地税の税率に関するサンクト・ペテルブルグ市の法律の合憲性審査事件判決(1997.10.8)

 

3 憲法裁判所の判決の事例検討

 

(1) 連邦制と構成主体相互の関係にかかわる事例

 

すでにふれたように、憲法裁判所のかかわった事件で、ロシアの連邦制と地方制度に特有の問題を孕んでいるのは、自治管区の位置づけと他の構成主体(自治管区をその領域内に編入する地方(クライ)または州)との関係をめぐるものである。別の機会に述べたように、ロシアの連邦制は「非対称的」な性格をもっているが、全部で89ある連邦の構成主体のなかでも、自治管区については、直接に連邦に帰属するものと地方(クライ)または州に編入されているものにわかれ、構成主体は互いに同権であるという憲法原則とのかかわりで複雑な様相をみせているのである。

? まず、チュメニ州憲章の一連の規定の合憲性審査事件の審理を延期した決定(1996.7.17)をみてみよう(『ロシア連邦憲法裁判所通報』96年4号。以下、『憲法裁』96-4と略記する)。この事件の申立人は、チュメニ州に属するふたつの自治管区のドゥーマ(議会)で、チュメニ州憲章の一連の規定が、自治管区の憲法上の地位を弱めるものとなっていることを問題にしている。具体的には、自治管区の州、地方(クライ)への編入は、共通の地域的利害によって結びつけられたふたつの同権の構成主体の相互関係の独特の形態であり、自治管区の憲法上の地位にいかなる影響も与えず、自治管区の住民を含む州のすべての住民を代表する機関(州議会)を創設することは許されないと主張した。

憲法裁判所は、州または地方(クライ)とそこに編入される自治管区は、住民の利益のためにさまざまの相互作用によって地域の経済的、政治的、社会的な、またはエスニックその他の関係を維持しなければならない。これらの相互作用には、管轄事項および権限の移転、または権限の委譲、およびそれらの共同の実現が含まれ、州または地方(クライ)と自治管区の共通の利益にかかわる領域の活動を相互の合意なしに一方的に行なうことは許されないと判断し、ロシア憲法が制定された当時、ハンティ・マンシ自治管区もヤマロ・ネネツ自治管区も当時の現行法

 

 

 

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