2 建設段階の問題点とあり方
建設段階の基本的方向として、国会等移転調査会報告(以下、「報告」という)が記述しているのは、次のとおりである。
・都市づくりに関する企画立案、新首都における面的開発事業及びそれに関連する公共公益施設整備事業については、国の設立する一の事業主体が一元的に行うこととする。
・新首都の建設は基本的には国の責任において行われるべき事業であることから、新首都の建設に伴い地元の自治体に生じる負担については、業務代行等の措置を含め、国が適切に支援することを原則とすべきである。
・公的主体が圏域内の土地をできるだけ広範に取得し、公的主体が土地の所有権を保有しつつ土地管理を行う方策を中心とした制度、手法(リースホールド方式等)をとることが望ましい。
・土地投機を抑制しつつ広範な土地取得を行っていく必要があることから、制度・手法の面で単に規制のみによる手法に頼るのではなく、土地投機防止と土地取得促進を一体的に実施得るような能動的な対応を図ることが効果的である。
・新首都づくりに当たって民間の活力を活用することも重要である。商業施設の企画・運営など民間事業主体の創意工夫や事業意欲を活用することがふさわしい事業については、国の設立事業主体との適切な連携が図られるよう留意する。
・新首都づくりの第一段階では、国会の早期移転を最優先とし、建設開始から約10年で国会を開催することを目標とする。(約10万人 約2,000ha程度)
・首都機能移転により、新首都の政治、行政機能と東京の経済機能は離れて活動することとなるが、これを理由とする新首都と東京との及び国の機能相互間の連絡調整機能が肥大することを防ぎ、諸機能間の連絡の効率化を図るため?中央省庁等の内部相互間並びに、?東京の経済機能、?地方及び、?諸外国との連絡調整のため、高度な情報システムの活用とそれを可能とする制度の整備を図る必要がある。また、第一段階の移転が行われるまでには、各国元首等の専用機などが離着陸できる滑走路を持つ空港の整備等と、東京との主要なアクセスルートとなる交通施設の整備及びこれを補完する交通施設の整備を実現するものとする。