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第3章 首都機能移転に関する地方行財政の課題

 

首都機能移転は、わが国の将来の国際関係・国内政治に関連する極めて重要な国家的事業である。また移転受入地となる地方公共団体及び住民にとっても、地方行政の組織や運営、移転に伴う生活環境の変化など、重大な問題となる。

最近、首都機能移転をめぐる論議は本格化し、より具体的なものになりつつあるが、その検討の主たる方向は、移転の必要性や意義、移転の方法、移転先地の選定など主要な政策決定に向けられ、移転に伴って生ずる実務的諸問題については、十分な論議が行われているとはいえない。特に首都機能が移転する地域の地方行財政制度の検討は不十分である。国会等移転調査会報告(平成7年12月13日)でも、地方行財政制度との関係については議論が尽くされていない。

首都機能移転をめぐる地方行財政制度のあり方という問題は、移転先地の決定を待たないと論議を深めにくいという事情もあり困難な問題といえる。しかし、この課題に現段階から取組み、論点を抽出し整理しておくことは、将来の首都機能移転のために不可欠である。このため、本研究委員会では首都機能移転に関する共通の理解となっている国会等移転調査会報告に基づき、地方行財政制度について論点抽出を中心に検討を行うこととした。

検討に当たっては、地方行財政制度に関して、検討対象を明確にして視座を確保することとし、そのため、計画段階、建設段階、管理段階の3段階に分けて検討を行った。

以下研究委員会で提起された主な論点を中心に記述することとする。

 

 

 

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