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る機能」を強化するため独立させたものである。

? また、環境行政と廃棄物行政の連携強化を図るため、環境保全局と生活環境局を統合した。川崎市では、意図的に環境に関する部門を独立させて権限強化を図ってきた経緯があるが、今回は、リサイクル社会への視点から、清掃行政はごみの収集・処理にとどまらずリサイクルという観点を持って行うことが重要だと判断して統合した。

? 次に衛生部門と民生部門の統合である。これは各市でも行われていることであるが、川崎市としては、当面、旧衛生局及び民生局の保健・医療・福祉の企画部門を統合し、高齢者、障害者及び少子化対策の3部門に再編成することとした。

これは、それぞれの職種の違いから難しい面もあったが、企画を立てる際には衛生・民政の両部門が同じ課の中で議論することが必要と判断し、企画部門の統合を行ったものである。

? 都市整備局と建築局との統合については、直営で公営住宅を建設すると

 

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いう時代は既に終わったため、両局が「まちづくり」という観点で協同してやっていけるという意味での統合である。

? 土木局と下水道局の統合については最後まで議論のあったところである。特に下水道局はその会計が企業会計であるため、一般会計と企業会計との統合が可能かということで争いがあったが、市全体では下水道整備も終わりに近づいており、これからは本管の整備から維持補修にシフトしていくことが見込まれるため、道路や河川を所管する土木局と統合が可能と判断して実施したものである。

? 次に、区役所の再編については、保健所を区役所機構に編入する改革を実施した。

福祉事務所と保健所の統合については、法的な面で可能かどうかという問題があり、他都市では北九州市などでかなり踏み込んだ形で統合している例が知られているが、川崎市の場合は、保健所をそのまま区長の権限下に置くという変更を行った。したがってサービス部門での保健・医療・福祉の連携というのはこれからの課題であるが、介護保険制度の導入がその推進の契機になるのではないかと考えている。

 

 

 

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