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論点メモ

 

1 組織再編の問題

○ 組織の再編にあたっては、大きくは組織的問題、施設的問題、人的問題がある。

○ 組織面については、組織再編を図る場合、関連する複数の部局を寄せ集めるだけでは実効のある機構とならない。例えば保健と福祉の部局を再編する場合には、仙台市でみたとおり、課レベルや区レベルまでの統合を行い、住民の多様化・高度化するサービスニーズに柔軟に対応できる連携体制を確保する必要がある。また、仙台市や涌谷町でみられた保健所や医療機関における医師の配置など、法令で定める必置規制をはじめとする制度上の問題をどのように解決するかも重要な課題となっている。

○ 施設面については、涌谷町のように、1つの施設に保健・福祉・医療部門を統合することによって、各種機能や資源の集積が進み、保健・福祉の連携が比較的容易に確保できるメリットがあった。しかし、そうした連携が十分に行われるためには、各種の施設や機能を合築するだけはなく、涌谷町町民医療福祉センターのように、施設の整備や運営に明確なコンセプトが必要である。

○ 人の面については、専門職間の連携の問題がある。保健・福祉・医療の分野では医師、保健婦、看護婦、療法士などの専門職で構成されているが、立場によって、住民に対する理解や対応が異なり、お互いに意見を調整することが困難な場合が少なくない。特に涌谷町のように限られた人的資源のなかで住民向けのサービスを提供している場合は、専門職同士が互いの職域のことを十分に理解していくことが必要になる。このためには、専門職間の人事交流や症例検討会などの連携の場を機能させることが、こうした問題の解決の糸口となっている。

2 介護保険制度の導入の問題

○ 介護保険制度の導入に備えては、住民が必要な介護サービスを選択できる環境づくりを進める必要があり、このためには優良な民間事業者の育成を進めていく必要がある。

○ こうした民間事業者の育成のため、仙台市のように行政が実施する福祉サービスの民間への委託を進めていく方法もある。

○ 涌谷町にように、すでに先進的な介護サービスの提供を行っている自治体については、介護保険制度の導入によって、現在サービスを実施している高齢者が保険給付の対象とならないケースが想定される。こうした高齢者に対して、介護保険導入後、どのように支援していくかが課題となっている。

 

 

 

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