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福祉に係る行政面についても所長が統括してやるという考えが発端になっており、健康福祉課長を所長が兼務し、その下に医療福祉センターをおく形態をとっている。

平成8年現在で、医業収益と医業費用で1,300万円の赤字となっているが、これには減価償却約7,000万円を含むため、実質的には約5,000万円の黒字と考えている。当センターの収支などについて、本町では、減価償却、企業債の償還を除いて、医業収益でバランスがとれればいいと考えており、一般会計、国保会計、病院会計の3つのトータルでとらえている。

センターの施設は、国保病院、行政施設、老人保健施設、デイサービスセンター、健康管理センターで構成しており、今年度までで約57億円の事業費を投入してきている。今後は、特別養護老人ホーム(50床)をセンター周辺に建設し、これを拠点にして、町内の遊休施設をサテライト的に活用していく考えをもっている。

職員数などについては、病院が112名、老人保健施設が100名で、合計212名となっている。このセンターシステムをとるために、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、栄養士、保健婦などの専門職を多く採用している。

病院の受付、レセプトの整備、病院の給食、全体の機械の保守管理、警備、清掃などは民間委託を行っている。これは経済面や直営にした場合の人件費などの将来見込みなどを考慮した上である。デメリットは、民間委託の場合は、契約の範囲内だけの業務という事務的な側面があること。メリットは、公務員と民間からなる勤務環境で両方が切磋琢磨することなどがあげられる。

(ウ) 涌谷町在宅ケアシステム

相談窓口としては、町立の在宅介護支援センターがある。支援センターでは、窓口、電話、民生委員、健康推進員などを通して町民から相談があった場合は、必要に応じて看護婦、ソーシャルワーカーが初回訪問し、症例検討票に相談内容、困っていること、日常生活動作などを把握し、症例検討会に諮る。

症例検討会では、毎週1回木曜日に医療福祉センターに勤める各職種の部署から14〜15人が出席し、検討を行っている。1回に出る症例は平均5〜6例で、各職種からの意見交換に基づき、ケアの方針を決めていく。

訪問看護ステーションは、看護婦による訪問看護サービスを実施しており、看護婦に指示書を出す担当医師も、毎月1回は訪問診察を行うことになっている。

在宅リハビリテーションは、初回訪問時などもデイサービスに従事している作業療法士が訪問し、リハビリテーションの面から補装具などのアドバイスを行う。リハビリのために理学療法士、作業療法士が訪問するケースもある。

在宅福祉サービスについては、ホームヘルプサービスは、37名が担当している。デイサービスは、B型(通常型)をライフサービスとして、E型(痴呆専用型)をシルバーナーサリーとして実施している。その他は、老人保健施設のデイケアがある。

症例検討会での検討に基づきサービスを行っているが、症例検討会で結論づけが難しいもの、老人ホームの入所などが考えられる場合は、高齢者サービス調整会議を月1回開催し、検討を行っている。明らかに入所の必要がある場合、入所判定委員会で検討を行っている。

 

 

 

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