公社では、ホームヘルプサービス事業の実施、介護研修センター事業などを行っている。このうち、介護研修センターでは介護事業の普及事業として、専門職だけでなく一般市民を対象にしたホームヘルパー養成研修を実施している。これは、現職のヘルパー、一般市民への知識普及、介護用具の普及を図り、市民に広く介護能力を身につけてもらうことをねらいとしている。平成8年度は一般市民研修(1万人受講)、専門研修(6千人受講)14講座141回実施した。
(2) 涌谷町(町民医療福祉センター)
(ア) 概況
涌谷町は人口2万292、世帯数5,572(平成9年3月住民基本台帳)、産業別就業人口は、第一次産業2,371人(23.2%)、第二次産業3,780人(37.0%)、第三次産業4,054人(39.8%)となっている(平成7年国勢調査結果)。
涌谷町は仙台市北東部に位置し、稲作単作地帯として、世帯の約半数が農家世帯となっている。また、近年は通勤などで仙台市との結びつきが強化されてきている。
(イ) 高齢化の状況
平成7年現在、涌谷町の65歳以上人口は3,756人、老年人口比率は23.1%となっている。また、65歳以上の高齢者のいる世帯は2,648世帯、総世帯に占める割合は48.4%となっている。(平成7年国勢調査結果)
イ 現地調査の概要
(ア) 組織の自己編成について
昭和40年代当時、涌谷町には診療所が18〜19か所あったが、医師の高年齢化、後継者不足、休日・夜間の診療体制の不備などの課題があった。
こうした問題の解決を図るため、昭和49年、町民(有権者)の約85%の署名による公立病院建設の請願書が町執行部と町議会に提出された。これを受け