日本財団 図書館


第6章 これからの課題

 

1 住民感覚のまちづくり

 

まちづくりは、住民一人ひとりが自分が住むまち、仕事をするまち、そして生まれて老いていくまちへの愛着や思い入れを込めて、そのまちの個性をまとめあげ、快適な生活空間・環境を創造していくことである。

住民参加のまちづくりにとって、合意の形成がまずもって重要である。この合意形成は、従来のように行政が形式だけの住民参加で行う方法ではなく、地域社会を構成する住民、企業、町がそれぞれ「住民」という共通の立場に立ち、その役割を認識し、お互いに協力し合いながらまちをつくるという自治的な姿に変える必要があり、またその転換の時代を迎えている。

それゆえ、これからのまちづくりにおいては、住民、企業、町がお互いにまちづくりの主体として強く認識していく必要がある。そして、地域社会を構成するこの三者が、まちに住む「住民」という共通の立場でまちづくりに取り組んでいくことである。この場合の「住民」とは、ただ住んでいて不満をいい、地域エゴを主張するだけの「住民」とは異なり、自分のまちの今と明日とに目を向け、まちをつくることに関心を示し、活動する人のことを意味し、住民、企業、町は、このような住民感覚でまちづくりに取り組むことが肝要である。その際、この三者がよりよいパートナーシップ(協力)関係を築き、手を取り合い、一方では建設的な批判をしながらまちを形成していくこと、いわゆる「協働型まちづくり」が新しい姿にほかならない。

 

2 協働型まちづくりを支える環境づくり

 

このような、協働型まちづくりを推進するためには、まず、?住民(企業を含む)の意識の高揚(意識づくり)を前提として進める必要がある。その上で、?まちづくりセンターのような専門スタッフを擁した支援組織と財政支援の仕組み、さらには、?まちづくりの活動を地域的に保障するルール(条例や要綱などの制度)の整備が不可欠である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION