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個々の施設がもっている個性、独立性、自律性を最大限に尊重する開放的な仕組みであるべきである。

目標や価値観の共有の問題、あるいはネットワークの構成要素の問題を、異種機能が同一敷地内、もしくは同一建物内にあるケースで参考までにみてみると、転用機能の組み立てとして次のような区分けをあげることができる。

 

A・混合施設 異質の施設を同一建物として便宜的に集めたもので、各施設問に価値観の共有はなく、機能の交流もないので、建物の施設管理以外は、ネットワークになじまない。廃校の場合、校舎などに関連のない施設が入り込む場合であり、雑居ビル型といえる。

B・施設群 限られた敷地内に、ある目的をもって複数の施設を配置したもので、ネットヮークを組みやすい。廃校の場合は、校舎と屋内体育館、教員宿舎や新規建物それぞれが、それぞれに機能をもって配置した場合である。

C・統合施設 同一の目的や施設機能をもった施設を一箇所に集めたもので、ネットワークの要因は不在である。例えば統合中学校などの単一機能型である。

D・総合施設 特定の目的を達成するため、下位概念としては同質、または異質の施設機能を総合したもので、ネットワークは消滅する。例えば公民館などの単一機能型である。

E・複合施設 同一建物(敷地)内に異なる設置目的をもった施設を配置したもので、個々の施設の独立性は確保しながらも、可能なものについては共通化し、あるいは、共同化するなどして、必要に応じ連携、協力するものである。ここではシステム化、ネットワークが発現しやすい。例えば公民館、福祉センター、婦人館、図書館を複合した市民プラザのような型である。

 

各転用機能の最小規模を手掛かりに、それらの複合、併存によるネットワークを幾つか組み立て、その廃校活用ケースをあげてみる。

 

3 廃校利用の対象と管理運営の形態

町の施設として廃校を活用する場合の他に、町の管理(一般に社会教育担当課・係)のもと、他の自治体や企業体に賃貸する場合がある。

利用形態は、次の場合があげられる。

 

 

 

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