(2) 文部大臣の承認があったものとして取り扱われる施設
補助事業などにより取得した財産の処分については、法令「公立学校施設整備費補助金等に係る財産処分の承認等について(昭和61−3−31)」により、廃校を転用する際、報告書を提出することで文部大臣の承認があったものとして取り扱われる施設として以下の施設があげられる。
・他の学校
・社会教育施設(公民館、図書館、博物館、青少年教育施設、婦人教育施設など)
・社会体育施設
・文化施設
・利用型の老人福祉施設
・地域防災のための施設
(3) 廃校の転用に求められる強い公共性
「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」を根拠とする法令によると、学校の統廃合で余った施設を学校教育以外の施設に転用しようとすると、鉄筋コンクリートの場合、建設から60年経過しないと、建設時の補助金、借金は返還しなければならない。
しかし、実際の運用では法律どおり杓子定規に実施しているわけではなく、文部省教育助成局施設助成課によると、転用施設が学校教育の目的にかなっている場合、だいたい10年を目安にし、それ以上経過していれば補助金の返還は求めていないという。
学校教育目的にかなっている転用施設とは、社会教育施設、社会体育施設、文化施設、学童保育施設などがあり、その他に高齢化社会に対応して平成7年には老人デイサービスセンターが、また阪神・淡路大震災を教訓に備蓄倉庫など防災用施設への転用も補助金返還の対象から外された。
学校教育にかなっている施設以外の施設に転用するには、補助金を受けて10年以上経過している場合でも、文部大臣あての「公立学校施設整備費補助金等に係る財産処分承認申請書」の提出が求められ、転用の理由を明確にする必要があるが、学校施設という理由で補助金を受けた経緯により、公共性が強く求められる。