(2) 地方圏から大都市圏への人口移動の要因分析
上記のように過去40年間にわたって基本的には、地方圏や関西圏からの東京圏への人口移動の傾向がみられるが、その要因を分析することとする。
ア 時代別の傾向
まず、第一次オイルショックの1973年までの時期に三大都市圏への転入が続いたのは、重化学工業化を軸とした高度経済成長に伴う、若年層を中心とした農村地域から大都市圏への就職が大きな要因であった。
次いで1980年頃まで、大都市圏への転入が低水準に止まった背景には工場の地方分散によって地方圏における就業機会が増加したこと、大都市圏と地方圏の所得格差が縮小していったことなどの経済的要因がある。
しかし、1980年代になって、東京圏でサービス関連産業が拡大し雇用機会が増加したこと、大都市圏と地方圏の所得格差が拡大したことにより、東京圏の転入超過数が増加を続けた。