(3)住民向けGISの運用
前節で述べたように、情報提供の主体としては、現時点では第3セクターによる運営が適していると考える。情報を提供する運営主体として、第3セクターによる情報発信センター(仮称)を設置し、以下の業務を担う(図表4-6)。
情報発信センターは、地域情報システムで整備、更新される情報のうち、提供に適した情報を収集し、データベースに登録する。また民間企業が保有する情報を収集し、同様にデータベースに登録する。それらの情報をインターネット上に発信することにより、住民は自宅や会社、また公共施設に設置する端末、さらには携帯のパソコンを利用して、情報提供のサービスを受けることが可能となる。
運用にあたっては、情報発信センター内に設置する、市関係者、有識者などから構成される情報提供審議会(仮称)にて、提供に関する十分な審議をおこなうことが必要である。本市の個人情報保護条例において対象としていない民間部門の保有する情報についても審議の対象とし、さらに提供にあたっての法制上の及び個人への影響を十分調査した上で情報を発信する。セキュリティ(安全性)保護のために、ファイヤーウォール(ネットワークを介して不法に侵入するのを防ぐシステム)の設置や暗号化(情報を、コンピュータウィルス(ネットワークやコンピュータに潜んで意図的にシステム不具合を生じさせるプログラム)対策、またバックアップ(情報の予備をなどの障害時対策も必要である。
また費用負担については、公的な情報を提供するため本市または国など公的機関の出資が必要であるが、発信する情報に民間の情報を加えることにより、広告費としての費用徴収が期待できる。また情報によっては、受益者負担の原則で有料とすることにより、情報利用料の徴収も期待できる。