● 農家の庭先などにおけるにぎりめしと田舎汁などを提供できるシステムを研究し、グリーンツーリズムのひとつの拠点とする。
● 一部に偏らずたくさんの種類の農産物がとれることを活かして、物産販売所において提供している地元特産品のさらなる研究・開発を進める。
《農のレクリエーション活動の事例》
◇ 福島県飯舘村
農林漁業体験実習館「きこり」
村のレクリエーションの場として整備され、用いられてきた村民の森「あいの沢」に、村内初の本格的な宿泊体験施設として整備され、飯舘村のグリーンツーリズムの拠点となっている。畜産体験、草木染め、ヤマメ串焼き、飯舘牛のバーベキュー、田植え・稲刈り体験、炭焼き体験など通年型のメニューが提供されている。
農家民泊制度「ふるさとの家」では村内の農家30戸の協力で年間200名の利用実績があり、受入体験制度「山がつこう」では公民館が中心となり「牛肉でいいたてと手をつなぐ会」の関東、東北の会員の子弟を対象とし、年2回、1週間の農村体験を実施した。
◇ 神奈川県横浜市
舞岡公園整備事業
都市に残された田園・自然環境を活かした公園として、水田耕作,雑木林づくりなどの体験活動が、市民による運営組織の手で活発に行われている。 「農的体験・学習」「田園環境の中での遊び」に整備の重点が置かれ、耕作体験水田の整備・復元、ため池の設置、照明器具のデザイン(裸電球と木の電柱)、地域に古くからある地名や名称によるサイン、市民活動の拠点となる平屋建ての施設「小谷戸の里」の整備、水車小屋、農道にかかる小橋や石碑などを配置している。
通年体験プログラムや指導員養成のための「谷戸学校」なども実施されている。
エ “技”のレクリエーション
本地域に限らず農山村地域においては、水の制御・活用の技術、農業を営むための技術、山を造り、維持し、育てるための技術、衣・食・住に関係する生活の技術、工芸品や道具づくりの技術など多くの“技”が存在する。
このような技は、レクリエーション的な観点からみても素材として、また実際に体験するものとして高く評価されるものである。農業や林業に関係する技術は前項までにいくつかレクリエーション活動の一環としての活用を示してきたが、本地域の長い伝統に裏付けされた個性的な技術(粟野春慶塗、雛人形など)や新しく築き上げられつつある技術(陶芸、食材加工など)などはレクリエーション活動の中で活かしていくことが可能である。
また陶芸に限らず、本地域の静かで美しい環境は、様々な芸術活動の場として、専門家のみならず一般の余暇創作活動のフィールドとして高く評価できるものである。