今後の景観保全・整備を進めることにより都市部の住民などにアピールする余地がある。来訪者に対する提供メニューのひとつとして、農村機能・景観を活かした機能整備をすることが考えられる。
エ 健康増進につながる機能施設整備
近年、高齢者の旅行ニーズが高まっており、また温泉が中高年層や若い女性などから非常に高い人気を得ており、全年代を通じた健康指向が高まりつつある。
全国各地域でも、温泉施設を地域全体で整備・充実することにより入り込み客を通年で増大させることに成功している。
そこで中山間地域でも、温泉など健康増進機能を核としたレクリエーション機能を整備することにより、地域全体の振興策を進めることが重要となる。
(3) 機能整備にあたっての留意点
ア 地域が一体となった広域的な協力による機能整備
近年、個人のレクリエーションニーズの多様化、高度化に伴い、レクリエーション客を誘引するためには地域として様々なレクリエーション機能の整備が求められる。
小規模自治体にとって、規模、財政的な面からみても大規模な観光宣伝などの活動は難しい。そこで近隣市町村と共同で観光宣伝、地域振興事業などを行う地域が多くなっている。具体的には統一ロゴの使用、観光パンフレット、観光地図の作成、温泉共通券の発売などを行っている。個々の自治体が限られた財源、枠の中で、同じようなしかも小規模の活動を行うのではなく、地域が一つの「まとまり」として活動することにより、広域での取り組みそれ自体がPRとなって、地域(観光地)の知名度アップ、観光客誘致などに大きな成果を上げている。
中山間地域においてもレクリエーション機能整備による地域振興に向けて、今後、各自治体の機能連携・分担と統一的な取り組みがより一層重要となる。
イ 情報発信や地域の交流の核となる拠点整備
レクリエーション客が旅行先に関して有する情報の入手経路はあまり多くなく、旅行先に関する情報の提供は円滑に行われていないと考えられる。逆