? 丹波の森公苑 <住民自ら楽しむ芸術活動>
(兵庫県氷上郡柏原町)
● 施設の概要
丹波の森公苑は平成7年、「芸術文化活動、森とともに生きる新しい生活スタイルの推進」をねらいとして開設された。
中心施設として管理研修棟、そのほか音楽ホール、芸術家のための滞在型アトリエ、地域住民のためにテニスコートや里山散策路など(以上県施設)を整備した。今後、生涯学習施設(町施設)、観光・地域住民生活の拠点となるホテル(民間施設)も同一敷地内に整備が予定されている。本苑において「森の中での芸術活動」というコンセプトで行われる「国際音楽祭」や丹波地域の町村のあちこちで行われる「まちかどコンサート」は回を追うごとに住民の参加が増え盛況になっている。
● 住民が主体で取り組む音楽祭
国際音楽祭は町内外のボランティア200人(男女比半々・40代前半の人が多い)を中心とした実行委員会方式で運営されており、そのほかのホールでの公演も「本数よりも特徴ある手作りのものを」を合言葉に実行委員会が企画・運営の中心になっている。
まちかどコンサートも地区の有志の手により行われている。これは文字どおり街角や幼稚園などの公共施設で住民が気軽に音楽を楽しむもので、都会のプロモーターではない、顔の見える地元住民の運営によるものであるため、多くの住民の参加が実現している。
本苑の特徴は、施設整備は自治体が行うが、企画・運営に住民ボランティアが大きくかかわっており住民のアイデアや実行力が施設を支えているという点である。こういった住民の活動が「まちづくり」に対する住民の意識を向上させ、さらに地元住民自らが催し物などを楽しみ親しむことが、京阪神を中心にやってくる行楽客をもてなし楽しませることにつながっている。