(3) 榛名信仰の歴史
榛名山は二重火山で奇岩群がいくつもみられる。この深山幽谷の地に、自然崇拝、山岳岩石信仰が起こり、神社が造営された。いつしか嵐やひょう、雷、霜、虫などの自然災害除けや、疫病除け、厄除けなどを祈願するようになり、ときに雨乞いをし、五穀豊穣を願い、家内安全、商売繁盛などの祈祷を頼むようになったとされる。榛名神社の創立には諸説あるが927年の「延喜式」において既に記載されている。
講の始まりは、御師の布教活動による代参議で関東一円に広がる。江戸末期には、農村を基盤にした講のほか、江戸商人を中心とする町人の講も多くなったことが、玉垣の講名からも知ることができる。
信仰の範囲は関東一円に及び、一部は甲信越にまで広がっており、榛名神社のお膝元である室田の村々では字単位に講が存在していた。