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齢者と比べ、「労働者」としての役割が大きく、体が動く問は現役として仕事に従事している状況も見逃せない。ただし、近年は従来の仕事は離れたが、特に高齢者が活躍できる場もないので、レクリエーションなどで時間を潰している高齢者もかなりいることも事実である。そのことを反映し、今回のアンケート調査でも「社会参加」や「就労エーズ」はかなり高いという結果が得られている。

また、高齢者の地域での役割という面から捉えてみると、過疎化、高齢化の地域では貴重な戦力であるとともに、地域の「伝統や文化」を次世代に継承していく人材としての位置づけが大きい。本地域でも、子供への故郷学習や、風習・郷土料理などを地域に残していく運動に高齢者が関わっている動きもみられ始めている。

 

? 女性パワーが地域を牽引している。

過疎地域に限らず、一般に地方部では女性の活躍が顕著である。男性の場合はどうしても仕事に偏りがちであるのに対し、女性は仕事の面でも役割が多いとともに、家庭の仕事、あるいは地域におけるコミュニティ活動、さらには余暇や文化活動の面においても活発な動きがみられる。

このことが、高齢者になっても活動分野が多彩で、それがいろいろな面での地域活動の牽引力になっている。

本地域においても女性パワーは強く、特に福祉面や文化活動面ではリーダー的な存在にさえなっている。

 

? コミュニティや伝統文化が息づいている。

近年、従来に比べると隣人同士の助け合いなどの相互扶助的な意識や、その地域の伝統的な風習や地域文化の継承力が弱くなってきているといわれる。

しかしながら、都市部に比べると相互扶助的な精神や伝統文化はまだ色濃く残っている。中山間地域、いい方を変えると過疎地域、あるいは高齢社会地域においてはこの二つの要因は大きな意味をもつ。一つは高齢者が安心して暮らすには相互扶助的な地城の連携は不可欠であること。一つは高齢者が伝統文化を地域に継承していく役割を担うことである。

 

 

 

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