あった個人が、被害者であるとともに加害者でもある画をもち、個人のライフスタイルにも大きな影響をもたらしてくる。よって、環境調和社会のもと自然の生態系を尊重し、かつ自然との共生を図ることのできる地域づくりが需要となる。
このような流れの中で中山間地域は高齢社会と同様、本来環境共生型の地域であり、中山間地域がもっている、あるいはもっていた共生のノウハウが、今、重要となってきている。
《高度情報・ネットワーク社会の進展》
<高度情報社会化>
各面でのオートメーション化やインターネット、衛星通信、ハイビジョンなど情報流通・技術がさらに進展すると、情報を基盤に形成されるインテリジェントシティ(情報化が非常に進んだ都市)や、ホームショッピング(家に居ながらにして買い物ができるシステム)、ホームバンキング(銀行取引を家庭でできる通信システム)、サテライトオフィス(職住接近型オフィス)、在宅勤務といった生活形態が可能となり、産業、就業構造はじめ地域構造の再編をもたらす。
一方、これら高度情報化の進展は、新しい技術に対する適応能力の格差拡大、テクノストレス(コンピュータ業務に伴うストレス)の発生などをもたらす可能性をもち、観光や遊びの世界を通じてリフレッシュしたり、先端技術に触れたり、あるいは自然とのふれあいの中で、生物としての共生感覚を回復させるなどの対応も重要になってくる。
この中で中山間地域は、これまでの情報過疎から脱却できる可能性をもち、中山問地域発の情報が国内はもとより、全世界へ発信できることになる。
<高速社会化>
高速道路や新幹線、各地での飛行場の整備やコミューターの就航などにより、全国を1日交通圏とする日も間近になっている。これを基盤とする、人、物、情報の交流はさらに拡大し、特に都市化地域と自然地域である農山漁村が一つの緊密な「系」として相互に連携性を高めるとみられる。