日本財団 図書館


第1章 調査研究対象地域の現況

 

1 調査研究対象地域の特性

 

(1)地域概況

調査研究の主なる対象地域である会津、阿武隈両地域(以下、これら両地域を総称する場合は「本地域」とする)の概況は、以下のとおりである。

 

【会津地域<三島町・金山町・昭和村>】

 

立  地:只見川流域の水源地帯で、良好な自然が温存されている。一方、冬季の気象条件は厳しく、金山町の例でみると年間の降雪日数は100日を超える。

人  ロ:金山町が最も大きく3,550人(平成9年.10.1)、三島町は2,683人、昭和村は2,106人。いずれも小規模で減少傾向が続いている。

高齢化率:東北でトップの昭和村の42.4%(平成9年.10.1)を筆頭に金山町41.6%、三島町35.9%といずれも高い。(全国平均:18.6%)

また、後期高齢者(75歳以上)の割合をみると、金山町では高齢者全体の46.8%(平成9年.10.1)を占め、県平均の39.1%(平成9年.10.1)よりもかなり多い。三島町は42.5%、昭和村は37.0%である。

(住民基本台帳平成9年.3.31全国平均:39.3%)

産  業:農業と建設業が主で、三島町にユニークな工芸活動があるが、その他の産業は概して弱い。

観  光:観光客数は3町村で年間34万人程度である。

生活圏:三島町を除き概ね自町村内で収束している。(地理的条件から他市町村との関係が難しい)

財  政:財政力指数*1は金山町が最も高く、0.262。三島町が0.146。昭和村は0.084で、全国平均の0.38に比較すると極端に低い。

【阿武隈地域<川内村・葛尾村>】

 

立  地:阿武隈山系の中央部に位置し、福島第一・第二原発が立地する太平洋側地域と、福島市・郡山市の中間地点となる。

人  口:川内村3,733人、葛尾村1,888人と小規模で、かつ減少傾向が続いている。

高齢化率:会津地域ほどではないが、川内村で27%、葛尾村で26%と、県平均の19%よりもかなり高い。後期高齢者の割合は川内村が38.0%、葛尾村が38.4%で、概ね国や県と同程度である。

産  業:農業と建設業が中心であるが、原子力発電所関連の建設労務にかなり就労している。

観  光:展開はあまりみられず、川内村は観光関連の統計がなく、葛尾村で年間5,000人程度である。

生活圏:川内村は富岡町、葛尾村は浪江町とのつながりが強い。

財  政:財政力指数は川内村0.138、葛尾村0.095と両村とも低い。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION