第4章 本荘市における大学を核とした地域づくりの推進基盤と実現シナリオ
本章では、第3章で示した方策の実現を担保するために、方策の推進基盤となるハードウエアとソフトウエアの整備について、記述する。
ハードウエアとしては、第3章にも示した大学周辺の整備(キャンパス・ガーデン)が当面の重要課題であり、その整備方向を再整理、具体化する。ソフトウエアとしては、大学を核にした地域づくりの仕組み(推進体制と制度)について記述する。
また、第3章で示した方策の実現シナリオを示し、短期的に実施する方策と中長期的な目標となる方策の振り分けを明らかにする。
1 大学周辺の計画的整備
前章で方向づけを示した「大学周辺のキャンパス・ガーデンの整備」について、具体的な整備イメージを示す。
(1) 大学周辺整備の前提となるまちづくりの基本方針
大学周辺の整備は、まちづくり全体を視野に入れて、中心市街地の整備と大学・中心市街地間を結ぶ交通基盤の整備とセットにして取組むべきものである。
学生の側に立ってまちづくりを考える場合、学生が「学ぶ」「住む」「遊ぶ」空間は、ある程度自然派生に任せることで、大学及び周辺、周辺開発地、中心市街地の間で、ゆるやかな棲みわけが成されるものと考える。ただし、空間の棲みわけにより、学生生活の不便さや地域住民と学生の遊離が生じないよう、各地区ともに利便性や快適性を高めるものとする。
具体的な整備方針は、以下の通りである。
ア 利便性や快適性に配慮した大学及び周辺の整備
大学及び周辺は、「学ぶ」空間として整備するとともに、飲食、買物などにおける学生の日常活動の利便性や、大学周辺としての快適性に配慮した整備を行う。