日本財団 図書館


 

地方港湾524港のうち、300港においては、港湾施設がなにも無くほとんど港湾活動が行われていない。200港については、地方の港湾であり、カナダ全体の貨物の約20%を取り扱っている。うち、60港は、遠隔地の交通を確保するための港である
?C 民間企業:32港
民間企業の持つ港で、カナダ全体の貨物の約10%を取り扱っている。
?D 漁業海洋省の所管する漁港、レクリエーション港湾:約2,000港
運輸省の所管する商港の他に、漁業海洋省の管理する港湾が、全国で約2,000港存在する。これらには、施設の全くないものも多く含まれている。

3.3 カナダ海事法(新法)による改革

カナダでは、ここ数年、港湾の非効率、過剰施設対策として、主要港の独立性を高め地方港の地方移管を進めることが検討されてきた。1996年当初、カナダ国会の運輸委員会に提出された「カナダ海事法」のドラフトによれば、政府は、国の貿易に重要な関係のある港と遠隔地の交通輸送手段として重要な港についてのみ責任を持つこととし、他の港は地方に移管するとしている。
カナダ港湾公社(CPC)は政府の機関であり、その管理下の港湾は、連邦の財政管理法(Financial Administration Act;FAA)の適用を受けるため、予算、投資、施設利用契約、タリフの設定等について中央政府の承認を得る必要があった。また、連邦運輸省の管理する524港についてもFAAは適用され、かつ、これらの港湾については連邦土地法(Federal Real Property Act)が適用されるので、土地の買収等に当たってはすべて連邦の承認事項となっていた。港湾委員会(Harbour Commission)については、FAAが適用されず、また、土地を所有する事も認められていた。
このような管理では、商業的な港湾運営は困難であり、港湾が非効率かつ施設過剰に陥ってしまったため、自己責任で独立した運営が出来る組織に変える必要が生じていた。地方港についても、国の承認がないと土地の借用もできないため、地元のニーズにあった運営が出来ない状況であった。このため、従来の、カナダ港湾公社法、公共港湾施設法、港湾委員会法、ハミルトン港湾委員会法、トロント港湾委員会法をすべて廃止し、カナダ海事法に統一しようとするものである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION