港湾を国が管理することとされたのは、British North America Act of 1867で海運や船舶航行に関することを国の業務と規定したこと、1868年の法律で、国の機関として海洋漁業局を置き、錨地、桟橋、埠頭、港湾委員会、航行等に関することを担当させたことがはじめである。その後、1930年代の景気後退で地方所管のポートオーソリティが財政難に陥ったため、これを救って港湾の適切な開発・管理・運営を行う必要が高まり、1936年、National Harbours Board(NHB)が設立された、このNHBによる管理運営は47年問続いたが、NHBでは地方の実体に即した機動的な運営ができないことが問題となり、1982年、カナダ港湾公社法(Canada Ports Corporation Act)が制定され、NHBは解散された。カナダ港湾公社(CPC)は、より独立性の高い組織で、NHBに代わって主要14港を管理・運営を行うこととなったが、中央による港湾管理という形態がは変化したものではなかった。
カナダ港湾公社(CPC)の管理する14港のうち7大港1は、自治権の強い地方港湾公社(Local Port Corporation)であり、CPCを通じて国から予算等の承認を受ける必要はあるが、各港湾は独自の経営をしている。この7大港については、国の機関による管理に区分されるが、独自のボードも設置されており、実質的には独自運営に近いものである。CPCの他の7港は、規模も大きくなくCPCが一括して管理を行っている。