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2.4 港湾の開発・維持管理に関する連邦の関与

(1) 防波堤
連邦政府の所管であり、連邦政府が自らの費角で維持管理している。しかし、米国では防波堤を必要とする港湾がほとんどなく、西海岸の主要港では、ロサンジェルス港、ロングビーチ港のみ防波堤が設置されている。ニューヨーク・ニュージャージー港、ハンプトンローズ港、マイアミ港では導流挺程度は設置されているが防波堤はなく、東海岸全域でも防波堤の設置港はほとんどない。
LA/LB港の防波堤は、1899年に開発が開始され、以降数次にわたって延長工事が行われた。1920年代後半から1930年年代にかけてロングビーチ港前面もがバーするように延伸され、全長14km以上となっている。防波堤は、貿易、漁業の振興、船舶航行の安全をはかるために連邦政府が建設したものであり、港湾内には海軍基地も設置されている。その後、大きな改修はされていない。この防波堤が、ロサンジェルス地震により沈下したときは、陸軍工兵隊が連邦費で復旧した。しかし、最近は、港湾開発のための防波堤が新たに設置される例がなく、今後防波堤の新設について、連邦政府が100%連邦費で整備することとなるか否かは不明である。
(2) 航路の開発および維持管理
港湾に入出港するための航路、河川筋の航路の開発及び維持管理は、連邦政府の所管である。すでに供用されている航路の水深を維持するための凌渫は、連邦政府(陸軍工兵隊)が自らの費用で実施している。実際の凌渫工事は民間会社あるいはポートオーソリティ(ポートランド港等)が委託を受けて実施している。
維持湊藻の多いところは、コロンビア川(ポートランド港等34港が河川筋に散在)、ミシシッピ川(ニューオリンズ港等)などの河川筋に限られており、外海に面する港湾ではあまり大規模な維持凌渫は行われていない。維持凌渫コストは、コロンビア川で年間2,000万ドル程度である。
航路の新設・増深の場合は受益者となるポートオーソリティに対し、連邦が補助という形で費用の一部を負担している。負担割合はケースによって異なるが、コンテナ船用の港湾開発では、連邦60−65%、ポートオーソリティ35−40%程度が標準である。航路の新設、増深の計画は、陸軍工兵隊によってフイージビリテ

 

 

 

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