1.自然を食べよう!野草&山菜 ほろ苦い旬の昧わい 風がゆるみ、陽射しが温かくなる早春。冬の間の間伐も一段落し、手入れされた里山を眺めると作業以外の楽しみが見えてくる。3月も半ばを過ぎると木の芽や山菜たちが芽吹く季節。フキノトウ、ノビル、ハコベ、ワラビ、ゼンマイ、ヤブカンゾウ、セリ、タラの芽、ニワトコの若芽、ツクシ、タンポポなど、里山に自生する植物は調理次第で食卓の立派な惣菜になる。 野草、山菜は一般にアクが強く生食できるものは少ない。さっと湯通しし、おひたしや和え物、味噌汁の具にする。もっともポピュラーなのがてんぷら。油を通すことで苦味が中和され、ほろ苦い旬の味が楽しめる。 手軽に現地で野草茶 普段はまるで天敵のように刈られるミヤコザサも、葉を火で少し焙って煮出すと香ばしいお茶になる。また、よく見かけるクロモジも小枝を1?pほどに切り適量に熱湯を注ぐとクロモジ茶ができる。清涼感のある香りとほのかな甘味。これはストーブとコッフェルがあれば手軽にでき、観察会などでも好評である。 山菜、茸に共通することだが、当然、マナーを守ることが大切。根こそぎ抜けば多年草であってもそこで命は終わり、乱獲すれば数は減る。竹林の所有者とのタケノコに関するトラブルも多い。里山保全に関わるものにとっては、山菜摘みや茸狩りは、第三者に対して、楽しみと環境保全を伝える格好の材料でもある。
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