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第4章 地域間労働移動と職業生活

 

はじめに

労働者の職業生活は、学校卒業後の就職やその後の転職、ならびに、地域間の移動、とりわけ、Uターン、Iターン、Jターンなど、大都市圏から地元への就職や転職を経験した者と、地元の学校を卒業後、地元の会社に就職したり、地元で転職を経験した者とでは、大きな違いが見られることが予想される。ここでは、そうした実態に迫るために、地域間労働移動と転職の経験別に、入職の経緯・現在勤務する会社に就職した理由・求職の方法をまず把握する。その上で、職業生活が新規学卒者に比べて複雑であることが予想される転職者に焦点をあて、地域間、業種間、従業員規模間の移動の実態ならびに、現在の会社でどのように働いているか、入職の年齢、勤続年数、地位、経験職種、最長経験職種、現在の職種といった職業経歴について分析を行う。
(大木栄一、立道信吾)

 

第1節 地域間移動と求職活動

 

1. 入社の経緯

 

現在の勤め先に入社した経緯は、図表4-1に示されているように、「首都圏等の企業から転職」が31.2%で最も多く、ついで、「首都圏等の学校を卒業し入社」が20.8%でこれに続いている。大都市圏だけでなく他県から移動し就職・転職した者も含めて「広義のUターン経験者」とすると、その比率は新卒入社Uターン者が35.5%、中途入社Uターン者が35.8%で、7割強がUターン経験者となる。なお、以下の個人調査の分析で用いられる「Uターン経験者」とは、大都市圏だけでなく他県から移動し就職・転職した新卒者及び中途入社者である。

 

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