
第2章 統計資料からみた戦後地域間労働移動のトレンド変化と今後の政策的対応
第1節 地域間労働移動のトレンド変化
戦後の地域間労働移動のトレンドを考えるうえで重要なことは、戦後の国土復興に始まり昭和30年代後半から始まる大都市への労働力集中がみられたこと。同時に、昭和40年代後半からみられる地方の発展に伴ってのUターン就職が現れはじめたことである。(図表2-1東京圏人口集中のトレンド) 第1節では上記の事を念頭に置きながら、戦後を10年ごとに区切り、図表を使いながら地域間労働移動の特徴が現れる事項を中心に考察することにする。 なお、各年代における地域間労働移動の特徴を考察する上での参考として、当時の時代背景と主な政策についても触れることとする。 
1. 昭和20年代 戦後復興期 (1) 時代背景 昭和24年3月に「ドッジ・プラン」が示される。これに沿ってインフレの収束のために超均衡財政を実施したことにより、政府需要の減少により企業は経営の合理化を図った。これ
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