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まえがき

本書は、日本財団よりの平成8年度補助事業「地域間労働移動に関する調査研究」をとりまとめたものである。
地方の時代といわれて久しい。しかし、戦後経済成長の過程で「国土の均衡ある発展」を唱えて取り組まれた幾多の経済産業政策は、巨大都市への人口集中、産業の集積を招き、地域間格差を拡大したといわなければならない。また巨大都市では、過度の集中・集積に伴う様々な弊害が目立つとともに、産業・技術の空洞化の現象もみられる。
こうした事態は、改めて地方分権による地域経済の活性化が要請されるところであるが、それは同時に産業構造の変化に対応した労働力の需給ミスマッチをいかに解消し、地域や職場への定着促進ならびに雇用機会の創出をどのようにすべきかの問題を提起してもいる。
かかる問題意識をもとに、企業及びUターン者などを対象に調査を行い、これまでの地域間労働移動のトレンド変化に関する動向と地域産業における労働力の有効活用の実態を把握したのが本書である。
本調査研究の成果が、地域間労働移動による地域経済の活性化と雇用の場の確保そして地域雇用政策に関する今後の在り方や方向性の対応に役立ち、有効な資料として活用されれば幸いである。
本調査研究に当って、アンケート票にご回答・ご協力を賜った企業及び従業員の方々、労働省(地域雇用政策課)、日本商工会議所、そして八幡成美 日本労働研究機構統括研究員をはじめとする研究委員各位(別記)に対して、心からお礼を申し上げる次第である。
平成9年3月
財団法人 雇用開発センター
理事長 井上美悠紀

 

 

 

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