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タイムで得られるデータと観測後数週間から、1ヶ月までの間に完全に処理されたかたちで提出されるデータの双方について、完全な形のデータ及び情報べースを作り出していこうとするものです。このプロジェクトの目的、プロジェクトの構成要素、プロジェクトの管理についての説明はGTSPPプロジェクト計画に記載されています。
 リアルタイムデータの処理は、IODEの将来への扉と見なすことができます。デジタル処理と通信機能を備えた機器類が利用できるようになったことから、数ヵ所のIODEセンターでは、すでに現時点において、データのある部分をリアルタイムまたはリアルタイムに近いかたちで受け取っています。さらに、NODCの中には、BATHY/TESACデータ、波浪データ、漂流ブイデータをリアルタイムで受信するために、GTSと接続しているところもあります。1995年代中には海洋データを定期的に伝送する衛星が開発される見込みになっており、そうなると、国立データセンターではリアルタイムでますます多くのデータが利用できるようになります。
 NODCはまた、データの発生源から適当な時間枠内で取得している国内のデータソースから受け取った水温と塩分データを、GTSのBATHY/TESAC報に挿入することによってIGOSSをサポートしています。また、NODCのなかには、国際ユーザーに伝送するために、GTS上にリアルタイムの波浪データを挿入しているところもあります。
 このようにしてIODEセンターが海洋データに迅速にアクセスできるようになったために、国内や国外ユーザーに対するサービスが大幅に改一善されました。IODEはこれらのユーざーに対して、従来のように活動計画が終了した時点でデータを保管するのではなく、活動計画が進行中の段階でいち早くデータ管理サービスを提供することができます。IODEはユーザーに対して、ユーザーとしては利用できることを期待し得ないような他のソースからのデータも含めた統合データセットを提供しているので、ユーザーとしては二重の利益が享受できることになります。
 大空間にまたがるデータセットをリアルタイムに近い時間で迅速に作成することができるために、ユーザーとしてはいわば気象概観的に、または時系列的にデータを入手することができるようになり、また、モデルに対する有益なインプットやモデル検証のためのデータを提供でるようになります。

 

 

 

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