・オフナディア角
SARは衛星・航空機など(プラットフォーム)に搭載され、プラットフォームの進行方向(アジマス方向)に対して直角な方向(レンジ方向またはルック方向)の斜め下方に送信アンテナから放射する(図1.4)。そして、地表面で反射散乱したビームのうち、プラットフォーム方向に帰ってくるビームを受信アンテナで受信する。
放射するビームの形状は、プラットフォームのアジマス方向に幅が狭く、レンジ方向に広い扇形(ファンビーム)をしており、図1.4の観測幅(W)でプラットフォームの運動に伴ってアジマス方向に平行な帯状の範囲を観測している。この場合、垂直下方とビームの放射方向とでなす角度をオフナディア角あるいはルック角と呼ぶ。航空機のようにプラットフォームの飛行高度が低い場合は、オフナディア角=入射角としてもよいが、人工衛星の場合は地球の曲率を考慮に入れる必要がある。通常、次の式が適用できる。