・レーダの電波
レーダに用いられる電波の波長は、目的に応じてLバンドとかCバンドなどのように波長帯に分けられている。表1.1にバンド名と周波数・波長を示す。
衛星搭載SARにはC〜Lバンドが用いられており、航空機搭載SARではXバンドがよく用いられている。
・SARの偏波
電波の偏波には円偏波と直線偏波がある(図1.3)。現在のSARでは直線偏波が用いられており、電界ベクトルの向きによって水平偏波(H)と垂直偏波(V)に区別される。送信と受信が同じ向きのO波面の場合は平行偏波(HH,VV)、直交している場合は直交偏波(HV,VH)と呼ばれる。
球のような対象の目標に対しては、偏波面の向きに関係なく入射波と同じ向きの反射波が生じる。しかし、非対称の目標に対しては、入射波の偏波面の向きと目標の向きに関係して反射波の偏波の向きが変わる。そこで、HH,HV,VVの同時観測データから任意の楕円偏波に対する6波特性を知ることができるPolarimetric SAR技術が注目されている。なお、現在打ち上げられている衛星搭載型SARはすべて平行偏波である。