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(3)宗教

仏教80%、カトリック9%の外、カオダイ教、ホアハオ教などがある。

(4)言語

ヴィエトナム語の起源は明らかではないが、「越」の国の方言にタイ族の方言、更にモン・クメール語などもまじり、中国語が混入して成長してきた言語といわれ、6声調がある。約1千年にわたる中国支配の影響で多くの漢語を利用していた。14世紀にヴィエトナム語の音と意味を既成漢字の「偏」と「つくり」で合成した文字「チュウノム」が考案され文字として確立されたが、17世紀にフランス人宣教師がローマ字表記を考案し、19世紀にフランス植民地になってからこれが普及し現在に至っている。なお、ヴィエトナム人が800年をかけて南下して行く過程において大きく3つの方言として変遷してきたが、現在はハノイ方言が標準語とされている。

(5)ヴィエトナム略史

a.中国支配

紀元前3世紀末、トンキンと北部アンナンに広がっていた「越」の一部部族オウラクは、秦始皇帝により紀元前214年に征服され、秦が滅びると広東地方の豪族チョウダが独立し紀元前208年にオウラクも併合しチョウ王朝を創建「南越国」と称した。しかし、紀元前111年に漢武帝に滅ぼされ、その後時折反乱を試み短期独立をするも鎮圧され、この後約1,050年間中国に支配された。

b.ヴィエトナム独立

939年、ゴ・グェン(呉権)が南漢軍を破り呉王朝を樹立、中国からの独立を果たした。その後、19世紀にグェン王朝がフランスに侵略されるまでの約950年間、中国の明の一時期の支配を受けるほかは独立を維持していた。この間、西のラオスとチャンパ(チャム族)を攻め南部に勢力を伸ばしていった。ヴィエトナムの国家的基礎が確立したのは、明軍を破り「大越国」を樹立した(1428年)からである。

 

 

 

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