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[5]インディアカ

1)動作の特徴男女それぞれ2名のプレーヤーについて、ゲーム中に見られた動作とそれぞれの動作を行った合計時間を図表10に示した。また、それらの動作のゲーム中の比率を図表11に示した。いずれもゲーム1セットにおける分析結果である。分析対象時間は約12分30秒〜17分であった。
インディアカの動作の特徴は、静止状態がなく、プレーヤーは絶えず動いているという点である。動作の比率を見ると「構え」がゲーム全体の約70%を占め、圧倒的に多い。この「構え」動作では、プレーヤーは絶えず自分のポジションの辺りを前後左右に小刻みに動いて、パスやレシーブ、スパイクなどに備えている状態である。インディアカや相手プレーヤーの動きに合わせて常に身体を動かしながら、次のプレーのための準備態勢を整えている状態であるということができよう。
ローテーションなどの「歩き」が平均で12%、パス、レシーブ、サーブなどの「直接的プレー」は、平均で18%程度であった。その内訳をみると、パス・レシーブ11%、サービス3%、ブロック3%、スパイク・フェイント1%であった。また、パス・レシーブではアンダーハンドに比ベ、オーバーハンドが圧倒的に多かった。
図表12はパス、レシーブなど直接ボールに触れる「直接的プレー」の回数とローテーションの様子を示したものである。1セットにおけるパス・レシーブの回数が29〜39回(オーバーハンド24〜28回、アンダーハンド3〜11回)、サービスが6〜8回、ブロックが4〜1O回であった。スパイクは男性プレーヤー2人だけにみられ8回と12回、フェイントは男性1名だけが3回行っていた。ローテーション(ポジション移動)は前衛右・左、後衛右・左の4つのポジションを移動するわけだが、1人が4巡、3人が6巡していた。
インディアカでは、ゲーム全体の約80を占める「構え」・「歩き」は、ゆっくりとした比較的運動強度の低い動作であるが、パス、レシーブ、サービス、スパイク、ブロックなどの「直接的プレー」は瞬発的な動作である。しかもその動きは前後・左右・上下と立体的であり、運動強度もかなり高い。スパイク、フェイント、ブロックなど前衛ポジションのプレーは上下の動きの代表的なものであり、これらのプレーにともなうジャンプ運動は瞬発的な全身運動の代表例でもある。また、レシーブやパスではインディアカの飛来方向をとっさに判断し、前後左右にすばやく動かなけれぱならないことも多く、これも瞬発的な動きといえるだろう。しかし、一人のブレーヤーが2度続けてインディアカに触れることはほとんどないので、動作自体は単発的である。
2)動作から見た安全対策
●前衛ポジションのネットプレーは審判を厳しく
前衛のポジションでは、スパイクやブロックなどジャンプをともなうプレーが多くなる。このとき相手方のプレーヤーと接触したり、あるいは着地の際相手方のプレーヤの足の上に乗ったりして、足首の捻挫や骨折をすることがある。勢い余って相手方コートに入ってしまうなどのプレーは双方ともに危険であり、審判や指導者は特に厳しく注意

 

 

 

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