日本財団 図書館


Systemの流用は困難に思われ、このシステムの改良もしくは替わるシステムの開発が必要と考える。
また、水中ハンマーは流水抵抗の少ないコンパクトな形で、水中での能力減衰並びに洋上での機種変更の不便さ等を考慮すると、ラム重量の大きな強力型でしかも条件に合わせ、落下高並びに打撃力を自在に変化させうることが必要となる。そして、ハンマーと杭は一体化でき、テンプレートの孔や支柱内を貫通して打設可能なスレンダーなタイプが望ましく思われる。
システム的には、施工中の状態が一貫管理ができ、位置確認のGPSシステムと連動できるシステムの構築が必要であろう。
杭打ち船にしても従来のリーダー式のものより、バージの中央に櫓を組んだ形で、海中への杭の投入が容易で、水中にある杭をワイヤであやつる操作性の艮い船用船の開発が望まれると思われる。

 

参考文献:
1)鈴木芳徳・小野俊雄・荻原績:水中油圧ハンマによる基礎杭打設、建設の機械化、N0.513、p.49-53.1992.11.
2)内野徹:特集/基礎工事用機械/斜杭用油圧ハンマHNC125、建設機械、Vol.24、p.89-94,1988.8.
3)Drew Hichel : ROVs find multiple deepwater applications, Offshore, Vol. 44, p.65-66. 70, September, 1984.
4)K.van Zandwijk : The effect of deepwater on the performance of slender underwater hammers Proc. of the 18th Annual Offshore Technology Conference in Houston Texas U.S.A. , Vol.4, p.313-322, 5-8 May 1986.
5)Joost W. Jansz : Underwater piledriving. Todays experiences and what is about to come 2nd International Conference on Behaviour of Off-Shore Structures, No. 1, p.447-474, 28-31, August, 1979.

 

3.水中溶接技術

ここでは、大型の鋼製浮体構造物を実現するためには、きわめて重要となる鋼構造物の水中溶接技術についてメガフロート技術組合における実施例を中心に述べる。
水中溶接は、乾燥した環境の中で気中と同様に溶接する乾式法と、水中(ウェット)で直接溶接する湿式法に大別される。
乾式法は溶接部に水がかからないので、原則としては気中溶接なみの品質となり、実際に強度部材に適用されているのはこの方法である。ただし、水没していた溶接接合部分周辺を何らかの方法でドライにしても、開先部分を十分乾燥しなければ溶接欠陥が生じるため、注意が必要である。
一方、湿式法では、従来から実用に供されているのは、普通の被覆アーク溶接棒にすこし工夫を加え、溶接部を空気でシールドしながら溶接する方法である。しかしこの方法では、水や水蒸気が溶接部にかかる場合があり、溶接欠陥が出やすくなるため、一般的には強度部材の溶接に適しているとは言い難い。
国際空港などを想定した超大型浮体式構造物の洋上接合では、浮体ユニットの引寄・固着作業完了後、溶接作業が行なわれる。デッキ(浮体上面)は気中であるため通常と同様

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION