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3.位置決め、設置 1)〜10)
(1)位置決め
浮体構造物の位置決めは、その構造物が陸上から遠く離れている沖合の場合と、陸上に近い場合とではその使用する機器の選択が自ずと違ってくる。
陸上に近い場合の位置だし機器はトランシットや光波式位置測定装置(トータルステーション)等が利用できる。陸上から遠く離れている沖合の場合には、電波測距儀等があるが、最近ではGPS(Global Positioning System)が主流になりつつある。GPSとは、人工衛星からの電波を地球上のアンテナと受信機で、その位置を知るシステムである。
連続する構造物では最初のユニットの位置決めが最も重要で、次のものは最初のユニットを基準にして位置決めが可能である。最近では光波式位置測定装置およびGPSにしてもコンピューターと組み合わせたシステムにしてその位置を三次元表示にしている例が多い。各機器の最近の使用例は次の通り。

 

1)光波式測定装置(トータルステーション)
陸上の2点に反射鏡(プリズム)を設置し、作業船や構造物の光波測距儀から光波を飛ばして距離と角度を計測するもので、最近では作業船および構造物の移動に対して自動的に追尾するシステムが多い。しかし、その測距範囲は数キロと小さいが、精度は数ミリと高い。これらのシステムを利用した工事例として、本四連絡橋の明石海峡大橋の橋脚や来島海峡大橋の橋脚、あるいは大阪南港の沈埋トンネル、釜石湾口防波堤等実施例が多い。このうち、明石海峡大橋の橋脚と釜石湾口防波堤の実施例を次に示す。

 

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