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(3)浮体都市構想1)2)

1971年、アメリカの建国200年プロジェクトとしてハワイで浮体構造による海洋都市の研究が始められた。水深100mに達する水中タンクを作り、海面上10m、海面下10mの約20mをネックのように絞って、細い柱状とし波力の低減を図る構造である。この海洋都市はダイナミックポジショニングシステムによって定位置に停泊するため、係留装置は考えられていない。しかし、アメリカ経済の低迷により実現はしなかった。図-3.1.6はハワイ海上都市構想である。

 

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日本では、1975年の沖縄海洋博覧会に、100m×100mのアクアポリスを建造した。これはセミサブ型の浮体で16個のパーマネントアンカーで係留されている。その後、1983年には海洋情報都市が提案された。これは5km四方の浮体を杭基礎の上にソフトランディングさせるというものである。杭基礎のバラスト水を調節することにより波による揚圧力に抵抗するものである。最上部にSST用の空港を建設し、その下に、機械産業、情報産業の装置および設備を組み込み、居住区を外周に配置するものである。建設期間20年、総工費25兆円とされている。図-2はアクアポリスである。

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日建設計が提案する軟着島は、沈埋トンネル工法を発展させた海上都市造成工法である。図-3.1.8に示すように、約100m×100m、高さ35mの扇型のSLユニットを湾岸のドックで

 

 

 

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