日本財団 図書館


(2)海上空港1)2)3)4)

空港は、空港の騒音対策などの観点から、主要都市周辺もしくは海上に立地することが多い。この場合、水深および海底地盤の条件によっては、浮体式が経済的に有利になることがある。本格的な浮体空港構想としては、日本造船工業会が提案した半潜水型空港がある。これは、直径7m程度の円柱を空潜本体下部に多数配置して、これによって浮力をもたせるものである。円柱を多数配列することにより、ポンツーン式に比べて波力を軽減できる。図-3.1.3にその一例を示す。

 

077-1.gif

 

これに対して、最近いくつかの浮体空港案が提案されている。そのひとつはマリンフロート推進機構やメガフロート技術研究組含が提案しているもので、沖側に防波堤を設置し、その背後の静穏な海域にポンツーンタイプの浮体をドルフィンで係留しようとするものである。防波堤で静穏化海域を創出するので、前述のものに比べて浮体の断面を大幅に縮小できるものとしている。また、耐震性という観点からも優れたものであるとされている。
図-3.1.4に全体概要図・構成要素図を示す。
今ひとつは、浮体本体を鋼製ジャケットに着座させるものであり、この方式であれば波浪等による動揺が抑制できる。また、地震に関しては免震ゴムを用いた免震機構をとりいれるものとしている(図-3.1.5)。
このほかにも、浮体式コミュータ空港、浮体式ヘリポートなどの構想例がある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION