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において長期耐久性試験に供せられている。なお、熊本港においては、その後開発された軟着底防波堤が設置されている。

 

(6)係留施設等

a)広島港浮桟橋6)
広島県宇品港に、L150m×B30m×D3.5m−d2.5mのPC浮体式係船岸が建設された。写真-3.1.5は浮桟橋の全景であるが、全体を30mの要素浮体に5分割し、後に洋上接合して一体にしている。浮桟橋の両端の各10mは係留部で、ジャケット製のドルフィンに設置された大型ゴム防舷材で係留されている。水深は8mであるが、干満による最大の潮位差は5mである。耐用年数は50年、風および波の再現期間は遭遇確率を0.6として100年としている。その結果、台風による暴風時の風速は42.0m/s、また、それによる波浪条件は、H1/3=1.1m、T1/3=4.1sである。係留時の浮体式係船岸の動揺および係留力は数値シミユレーションを行って求めている。同じく、広島県宇品港に建設予定の浮体式係船岸は、L135m×B30m×D3.5m-d2.5mのSC(鋼コンクリート)ハイブリッド構造である。係留方式は前述のものと同じで、ジャケット製のドルフィンに設置された大型ゴム防舷材で係留される。水深は4mであるが、干満による最大の潮位差が5mある。耐用年数は30年、風および波の再現期間は遭遇確率を0.6として50年としている。その結果、台風による暴風時の風速は41.0m/s、また、それによる波浪条件は、H1/3=0.83m、T1/3=周期3.9sである。荷重はTL-20相当である。

 

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b)漁港用浮桟橋7)
佐賀県の名護屋漁港では、鋼およびプレストレストコンクリート製のハイブリッド構造の浮桟橋が建設されている。全体は、長さ55m、幅15mの大型浮体2基と長さ27mおよび17mの小浮体2基とから構成される。浮体幅の海側6mをエプロン、中央部7mを2車線の道路、陸側2mを歩道として利用している。係留は鋼製のジャケットを構成する一部の鋼管杭を、浮体端部に設けられた係留穴に上下方向に貫通させて行う。係留力の水平方向成分は杭の横抵抗力でもたせるが、上下方向はフリーである。その他、粭給・大島漁港では長さ36.5m、幅6mの、塩釜港では長さ51.5m、幅9mの、また大畠漁港では長さ20m、幅3mの浮き桟橋が設置されている。いずれも上記と同じ鋼およびブレストレストコンクリート製のハイブリッド構造である。

 

c)バルデス港コンテナ桟橋8)
アラスカのバルデス港に1982年PC浮体桟橋が建設された。バースの諸元はL213.4m×B30.5m×D9.1-d4.4mである。50,000LT貨物船の係留が可能である。設計波浪条伜は、常時Hmax=1.5m、T=3.8s、異常時Hmax=3.0m、T:4.8sである。津波による潮位差は2.4mを考慮している。係船岸本体はワシントン州タコマで建造されたが、曳航距離が1600

 

 

 

 

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